« | »

2013年12月25日

ちょっと詳しく

新メニューの宣伝です。

前菜系は、アジのマリネです。
最近中東づいてる私ですので、そんなテイストが多くなります。
木村秋則さんの仲間の農家さんからも最近沢山の野菜を頂けるようになりました。
自然栽培野菜の使用量は相当なもんです。ジビエ以上にこの量はレストランでは日本随一かもしれません。
その白菜、塩もみしてクミンとコリアンダーで味付け。
アジはマリネして酢でしめてます。
ソースはザクロを使った甘酸っぱいソース。
上に青リンゴのグラニテがかかります。
そんな重層的な前菜。

さらに菊芋も自然栽培ですね。
主に奈良の横田さんですが、皮をむいて蒸してピュレにして泡だてた生クリームと合わせてムースにします。
んで、コンソメとウニが添えてあります。
これは菊芋を味わって頂くためのお料理です。自然な甘さとウニの塩気、コンソメの奥行きが更に菊芋を持ち上げてくれると思います。

で、山鳩が大量に有ります。
ローストでお出ししてると夏まで出し続けなくてはいけなくなるくらいですね。
クレイジーな在庫を一掃する超リッチな料理です。カルト一人前で鳩3羽くらいまで濃縮してます。
これはトロワグロというレストランがあるんですけど、今のシェフのお父上の時代のお料理です。その頃はまだ今の様なスタイリッシュ路線ではなくて、野暮ったい剛健なお料理を作ってました。私はその方が好きなんですけどね。
ジャンとピエールというトロワグロ兄弟で始めたお店なんですが、そのジャンというお兄さんが、料理人としては神に近いブっ飛んだ存在で、いい意味でクレイジーなお料理、今の時代にも残るような素晴らしいお料理を数多く作った人です。
当時はジャンより旨いソースを作る人はこの世に居ないとまで言われた人です。残念ながら私が食事伺った時にはお亡くなりになってしまい、体験できなかったんですが。。。
そのジャンのスぺシャリテの”ツグミのムース“というこれまたブっ飛んだ料理があります。
今ではツグミは獲るのも食べるのも禁止ですから、地球上に存在しない料理です。
私はとある所で2度ほど頂きましたが、アレを超えるジビエ料理を私は知りません。どこの店かは聞かないでください。
で、同じ作り方で山鳩バージョンです。
鳩で作るとどうしてもパンチに欠けます。
ツグミの様な深いコクと濃厚な旨味を表現するのは難しいのですが、今回はちょっとやり方を変えてみたら、意外といい感じでまとまりました。鳩の味がよく出ていると思います。しかしながら、この料理はツグミを手に入れない限り原形を作ることが出来ないので、いつまでたっても未完成のままでしょうね。それでいいんです。

タルタルやります。
今回は馬と牡蠣です。
馬は会津若松、牡蠣は播磨です。
仔牛と牡蠣とか、牛肉と牡蠣とか、まぁいろいろありますが、今回は牛肉がアウトなので、馬肉でいきます。
日本のフレンチにありがちですが、私もそれに漏れず、タルタルなのに前菜でいきます。

蟹です。
偽装してないズワイガニ。
これまた自然栽培蕪と蟹のサラダです。下にはアヴォカドのピュレ、上にはファームオカンのみかんのジュレですね。
カブが自己主張超強いので、抑えるのが大変です。それくらいパワーがあります。

野菜料理のカテゴリーでは、最近送ってくれる野菜がほぼ根菜ですんで、これはフリカッセやろうということで、鶏の出汁とオリーブオイル、レモンでシンプルな温製野菜料理行きます。これはアランデュカスのスぺシャリテです。
個人的にこの料理が大好きです。夏に作る茄子とズッキーニとトマトの重ね焼きも最高ですが、根菜の旨い今時期はこの料理が最高です。
ちなみにアランデュカス氏が当店で召し上がったお料理(イワシのクレープ)を大変お気に召したそうで、モナコのルイ・キャーンズで出して下さってるそうです。
憧れに憧れた料理人にお料理を逆輸入して頂けたのは、すげぇ嬉しいです。

これは出るかどうか賭けですが、どうしても使いたかった、どうしても食べてほしい食材として仔牛のロースをまた買いました。
非常に悔しいですが、このクオリティーは国産を探しても、北米にもオセアニアにもないです。残念ですが。。。
そんなジェラシーを感じるくらい素晴らしい肉です。
ちょっと値段張りますが、後悔しない肉です。肉ヲタクには絶対お勧めです。
今やり取りしている山形の久下さんも仔牛専門農家ですので、いつかこういうハイクオリティーな仔牛を作って頂けるように、色々と共に試行錯誤してみます。
余ったら、私が持って帰ってカミサンと喰います。

という事で、明日から年始にかけてのメニューをざっとご紹介いたしました。
この気合いの入り方で年明け暇だと弊社潰れますんで、皆さん来て下さいね。