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2019年03月02日

北澤、ありがとう

 

リンゴ農家やりながらレストランとかカフェとかやってる私の弟子から、毎年恒例のりんごジュースが来ました。

 

おい、北澤、今年のは結構甘いな。

何かで割らないとシンドイぞ。

 

 

 

この北澤、かれこれ20年の付き合いで、私との出会いは私が21歳、北澤が20歳でした。

本当に不器用な子で、当時いっしょに働いていた職場で大変なヘタこいてクビになったくらい色んなヘタレ武勇伝を持つツワモノです。

 

その後、私が目黒で店を一軒任されるときにあろうかとか、北澤に声をかけて一緒に働いてもらうことにしました。

 

案の定、私のキッチンで来る日も来る日もありえないヘタこきまくって私に八つ裂きにされる日々。

後にも先にもキッチンでドロップキックやヘッドバッド喰らわせたのは北澤以外に居ません。

 

それでも涙とヨダレを流し、私の靴底の跡だらけのコックコートで食らいついてくる不気味なガッツがあり、途中からは料理の方向性について首締めあって喧嘩するほどになっていき

休み前に新婚だった私のボロ家に呼んで一晩中、料理について話し合った覚えがあります。

それだけに絆が強いというか、だいたい何考えてるか言葉無くても理解し合えるほどに濃密な2年間を経て、実家の長野県に返って家業を継ぎました。

 

あの頃は私も若くて馬鹿だったし、北澤も馬鹿で若かった。

 

今や、私など飛び越えて世界中で活躍する弟子達の近況を聞くたび、最近は素直に嬉しくなります。