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2013年01月22日

今年のテーマは

ソースです。
珍しく料理ネタ。

当店ではフォンドヴォ―、フォンドヴォライユなどなど色々な出汁を常備しておりまして、それでソースのベースにしておりましたが、やはりこだわるならば、まだ足りません。
んで、新たにジュ・ド・ヴィアンドというものをひき始めました。こればかりはジビエと同じく、誰にも触らせません。
これを任すくらいなら、店辞めます。

フォンとジュの違いを良く説明するのですが、フォンはあくまで出汁です。それだけではソースにはなりえません。
その逆で、ジュというのは煮詰めるだけでソースになりえる旨みの濃い液体ですね。
肉やスジ、香味野菜をしっかり炒め、赤ワインやポルト酒などのアルコール類、エピス類に24時間かけて引いたフォンドヴォ―を入れます。さらにコトコト2時間じっくり味を引き出して味と香りが最高潮に達した瞬間に濾します。
煮詰めて、ここにさらにそれぞれの素材にあったソースへと派生させていきます。
たとえば鴨ならフルーツ系、羊ならハーブやニンニク、牛ならエシャロットや胡椒という具合です。

ジュはフォンと違って作り置きはいけません。お客様がいらっしゃるタイミングにあわせて作るのが鉄則です。
和食で追いカツオを直前にするのと同じ考え方です。
香りは時間とともに飛んでいきますので、鮮度が命。

微妙な違いですが、わかる方には、はっきりとご理解いただける豊潤な味と香り。
これぞフランス料理、という素晴らしい成熟した食文化を楽しんで頂けると自負しております。