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2019年09月12日

山鳩のロースト

最近、私の思想の話が多くてウザいので、料理の話します。

 

鳩のローストはメニュー名は同じですけど毎回毎回試行錯誤の連続です。

焼き方は大体固定出来ましたが、ソースのとりかたを変えました。

 

ジュという考え方があります。

英語にするとジュースです。

シャバいソースをジュとしているイメージがあるかもしれませんが、ジュとはそういうことでは無い。

煮詰めるだけでソースになり得る液体のことをジュと言い、

煮詰めただけではソースにならないのがフォンです。

フォンは煮詰めただけでは旨くもなんともありません。

煮詰めただけでソースになるということはエキス分が豊富で、クリアな液体でないといけません。

鳩のローストに添えるジュはとてもシンプルです。

ローストして肉を外した鳩の骨を細かく切ってじっくりニンニクと炒めます。

鍋底に旨味がこびりつくようにゆっくり焦がさないように。

こんがり茶色になった鍋底こそがジュのモト。

ここにコニャック、赤ワイン、フォンドボー入れてサッと煮詰めます。

トロリと濃度が出たら網で濾します。

その中で内臓を煮てバター入れたら完成です。

骨を煮込む時間は去年の半分、ごく短時間です。

しかし、炒める時間をしっかり取る事でエキスを凝縮させ、臭みと雑味を飛ばします。

仕上がったソースはかなり軽くて素直な鳩の味わい。

雑味がないので深い黒色してます。

フランス料理の頂点に君臨し続けるジビエ料理はソースが全てであるとも言えます。

そこに妥協したくないので、少しお待たせしますが、キチンと作らせて貰います。

射撃試験

大井射撃場にて射撃の諸々でした。

 

これが最後の試験となります。

それにしても、人生初の射撃です。

まあ、普通の人は鉄砲撃ったことは無いでしょう。

山の中にある射撃場に行き、車を降りた瞬間に度肝をぬかれます。

物凄い轟音、あたり一帯に漂う火薬の匂い。

こんなにデカイ音がするんですね。

かすかに、来てはいけないところに来てしまったという、意味不明な感覚に襲われました。

まずは座学を小1時間ほどやり、銃の分解と結合、細かい取り扱いや弾の勉強。

 

いよいよ実際に撃ってみます。

1ラウンドで25発。

 

山をくり抜いた射場で、クレー射撃をいきなりやります。

オレンジ色に見えるのは粉々になったクレー。

クレーとはフリスビーみたいに飛んでいくお皿ですね。

順番回ってきたら、ハーイ、と声をかけると地下から向こう側に飛んでいきます。

ゴルフの打ちっ放しみたいな打席も一発づつ横にズレていくのがルールなので微妙に角度や方向が変わり、クレーの飛び方もあっちこっちと変わります。

これを狙って撃つのです。

結構難しい。

練習ではほとんど当らず。

おいおい、ヤバイだろ。

それにしても迫力が半端ない。

音も耳栓しないとおかしくなります。

射撃の反動がメチャンコ大きく、お陰で右肩には大きなアザが出来、右頬も軽く腫れてます。

そして、とにかくなんだかよくわかりませんが、心の底から怖いのです。

銃を撃つという単純なことが恐ろしい。全く楽しくない。どちらかというと非常に不快です。

この感覚は何だろう。

 

呆然としていると、次のラウンドはいきなり試験です。

試験は25発中、3発当たれば合格。

 

やはり本番に強いボクちゃん、25発中、17発命中。

普通、こんなに当たらないようですが、全く嬉しくもなく、楽しくも無い。

 

ラウンジに偶然、岩城某一さんが練習にいらしてて話しかけられ、しばし談笑。

完全にカタギに見えません。

某一さんはストレス発散に来るのだとか。

クレー射撃の一体何がストレス発散になるのだろう。

もや〜っとした不快な感情しか私には残っていません。

慣れれば楽しくなるのだろうか。

慣れるって、一体何に慣れるのだろう。

慣れたく無い気もする。

いつもビビっている方がいいような気がするし、私は引き金引く事に喜びは見出せない。

多分、私は射撃行為が目的なのではなく、生き物である獣を殺すという事のために射撃をし、

その目的に対して圧倒的な暴力を手に入れようとしている事に後ろめたいような、

恥ずかしいような気がしているのではないか。

私の意識には既に鹿やイノシシが想像上の射程に入っていて、それらを殺すことが更にリアルになったのです。

私は生き物、もっと言えば哺乳類を殺して食べるというシンプルな事に対して物凄くビビっているのです。

 

 

 

 

2019年09月11日

サイズダウン

月曜はかなりハードコンディション。

超上級者向けでした。

アウトにすら出るのも危険極まりないサイズ。

火曜日はいい感じにトロい波。

 

今回のパワフルな台風で

また平塚でサーファーが亡くなりました。

どうか彼を責めないでほしい。

サーファーやクライマーの死を自己責任論で切り捨てるのは簡単ですが、自己責任論を突き詰めれば、自転車にも乗れないどころかランニングすら心臓発作で救急車で運ばれるリスクはゼロでは無いですから。

自己責任論の終着駅には部屋でアマゾンで買ったポテチ食べながら全裸監督見て股間をボリボリかくことが最良の選択となった息苦しさしか残りません。

彼は戦慄に挑戦して敗れた、ただそれだけのことです。

家族がいるから、と、戦慄への挑戦を家族のせいにして諦める目の濁ったオトナにはなりたく無いのです。

 

 

 

犬の散歩中、自宅の横を流れる川にカルガモが居ました。

 

丸々と太っており、

増水して流れてくる餌を盛んに食べてます。

彼らは台風の後でも食べることしか考えない。

最近は彼らを見ると旨そうだ、と思えるようになりました。

 

夕方、畑のパトロールに出動。

台風であらゆるものが薙ぎ倒され、絶望感でいっぱい。

吹っ飛んだキュウリの支柱を立て直し、カボチャに草の座布団敷いて、土まみれになった野菜の葉っぱを1枚づつ拭くという地道な作業。

これだけボロボロになった畑の野菜たちが力強く再生したら本当に凄いと思うのですよ。

日本の農業は台風はじめとする雨がなければ米も野菜も出来ません。

命知らずのサーファーやクライマーが志し半ばで敗れたとしても自然は無関心、淡々とそのサイクルを繰り返すのです。

 

2019年09月08日

鳩ヲタクの皆様

今季最初の山鳩あります。

 

国産ではなくスコットランドです。

 

やはりデカイですね。

国産の狩猟ハトはキジバトなんですが、サイズは小さく、一人前一羽では腹一杯になりません。

これは一羽でボリュームあります。

 

今年はジビエが充実しそうです。

水曜日から。

 

数はそんなにないので気温35度のクソ暑い中でもジビエ食べたい方はお早めに。

 

昼川さん、取り置きせずにお待ちします。

 

 

現在、エゾシカ、ヤクシカ、鹿児島イノシシ、山鳩というなかなかマニアックなラインナップです。

 

そのうちキノコが出てきたら秋食材も極まってくるので、T師匠にタイマン金網デスマッチの果たし状を送りたいと思います。

 

 

台風ですね。

今朝の段階ではサイズがなく、とっとと諦めて二度寝しました。

 

ランチの間も波が気になって仕方ありません。

やはり昼過ぎから一気にサイズアップしていい形の波が来ていたようです。

明日はクローズアウトでしょう。

ここが藤沢だったらランチ終わったら速攻で海行ってましたね。

池尻で良かった。

 

 

うちの次男が今日でちょうど生後半年。

下の歯が生えてきたとの事です。

そうこうしているうちに、あっという間にチン毛が生え、いつのまにか海綿体が露出してくるのでしょう。

 

 

自然とは本当によく出来ています。

育児とは登山であり、サーフィンですね。

私の意識や存在、生死など全くもって関係なく、そのサイクルは淡々と進むのみです。

 

と言う事で、似非サーファーの私は明日、射撃試験に行ってまいります。

これが通れば猟銃所持の許可が出て、今期の冬山登山にはマイナールートにプラスαで狩猟という更なるマニアックな味付けがなされる事でしょう。

そもそも狩猟の場合はマイナールートですらない地図にない獣道登山、山に対してゲストではなく獣の気持ちになって山と一体化する事を目指すと言う、俺は一般登山者とは一味違うぜというような一匹狼的自己満足ロマン、人獣的ロマンが溢れているのです。

 

登山道を使わない点において、丹沢の裏ヤビツ界隈ですら難関の山となりうる可能性が高く、装備やルートを引き算する事で違った山の表情を自分の内面から経験する事が出来ます。

 

人間という獣になって道無き道を歩いた先に遭遇した獲物を初めて仕留めた時、私の内面にどんな風景が広がり、どんな感情が芽生えるのか、それはわたしにもわかりません。

 

 

 

 

 

 

 

2019年09月07日

バスチー

なるスィーツがローソンで流行ってるらしいですね。

バスク風チーズケーキ、略してバスチーとか。

バスク風チーズケーキって菓子が現地に実在するとは思えませんが、ノリで作ってみました。

 

 

表面の焼き色がポイントなんだとか。

 

これ、私が思うにトゥルトゥ・フロマジェが原典なのではないのか?

と、思うのです。

私が知る限り、バスク風チーズケーキという食べ物は存在しないはず。

シャラント地方菓子の表面が真っ黒のフロマージュのお菓子をマイルドにしたんじゃないかと。

 

だからなんだ、って話ですけど偉大なフランス菓子を安っぽいスィーツとして変換する流れはあんまり好きじゃないだけです。

 

ただ、味は美味しく仕上がってます。

 

とりあえず、ランチで出ます。

明日明後日

海に行かなきゃサーファーじゃねぇ、

と、神のお告げがあったような気がする。

 

激レア食材

こんなものが私の手元に届くとは。

 

屋久島のヤクシカです。

 

屋久島に行った事ある人は分かると思いますが、あの荘厳な雰囲気の原生林の中にいる小振りなサイズの鹿は、独特の存在感を放ち、まさに神の使いとでも言いますか、神聖な佇まいです。

 

縄文杉ハイキングや宮之浦岳登山ならばほとんどの確率で遭遇するヤクシカは近年生息数が増大、島の生態系に悪影響なんだとか。

 

世界遺産になってからの観光客の増加の方が環境問題だという話もありますけど、そういう事言うとまた嫌われます。

 

屋久島で農業やっている知人の畑の罠にかかった鹿を〆て送ってくれました。

 

油がのってます。

とりあえず、前足を赤ワイン煮込みにしました。

 

 

他の部位は熟成してから随時。

 

味わいはどうなんだ、って気になるところですが、食べてもらわないとなんともかんとも。文字で料理を表現するのは野暮ってもんです。

料理とは表現方法として完結してますから、文字に変換しても本質的な魅力は伝わりません。

 

食べたか食べてないか、ただそれだけの話。

2019年09月06日

アンコ炊いてます

小豆がメチャンコあるのでアンコ炊いてます。

 

抹茶とアンコのタルトを復活させます。

 

柔らかくなったら砂糖を投入、煮詰めていきます。

 

水分飛んでくるとプチプチ飛び跳ねるんですよね。

これが熱い。

非常に熱いけれど混ぜるのやめると底が当たります。

当たるというのは業界用語で焦げると言うことです。

 

火傷上等、熱いけれど熱いと思わなければ熱くないので、皮膚神経の回路スイッチをオフにして混ぜ続けると完成です。

その頃には腕は火傷だらけです。

アンコとは、火傷の上に成り立ってます。

 

 

この辺の仕事は門外漢ですが、これはこれで楽しいものです。

先日もウチのチビが好きなみたらし団子を家で作ってやったら、なかなか旨い。

私の方がハマってしまい、白玉粉と上新粉の配合やら味醂と醤油と砂糖のバランスなど試行錯誤。

あれは味醂と砂糖がカギですね。

三河みりんという地元の特級品を使い、砂糖はきび砂糖使うと絶品です。

 

 

2019年09月05日

ファーマーズディナー

9月28日(土)、29日(日)の2日間

ターブルオギノ湘南にて完全予約制トークディナーイベントを開催致します。

 

池尻のレストランは夏休み中です。

 

 

28日(土)

神奈川県小田原市で自然養鶏をされている『春夏秋冬』の檀上貴史(ダンジョウタカシ)さんをお招きして自然養鶏で育てられた卵と鶏肉を使ったコース料理。
前菜2品、

メイン料理1品、

デザート、

食後のお飲み物、

お土産(自然養鶏の卵)付き

6000円(税別)をご用意致します。

 

 
29日(日)

神奈川県藤沢市片瀬海岸の

『浜野水産』浜野展行(ハマノノブユキ)さんをお招きして、

シラス、あかもく、煮干し、湘南で取れた魚介を使った料理前菜2品、

メイン料理1品、

デザート、

食後のお飲み物、

お土産(釜揚げシラス)付き

6000円(税別)をご用意致します。

 

 

 

飲食店や家庭の食卓などで毎日食べられる様々な食材。
私たちはその食材達の事をどれだけ知っているのでしょうか。

 

今回、両日にテーマを設け、その日の料理に使用する食材の生産者さんのお話を聞きながら、その食材の背景、ストーリーを知り、食べるという事を少しだけ真面目に考える機会を作りたいと考えました。

 

生産者と食卓を囲み、話し、友達になる事で毎日の食事が豊かになりますように。

 

自然養鶏農家の
『春夏秋冬』檀上 貴史
1978年 東京生まれ
趣 味 ① サッカー
⇒ポジションはゴールキーパー
② 海釣り
⇒和竿でのカワハギ・シロギス釣り
2002年/地方銀行へ入行
2003年/自動車関連の専門商社を創業
2006年/株式会社化
現在に至る。


 

 

 

『浜野水産』浜野展行
1986年12月10日生まれ 32才
シラス漁師 2児の父
浜野水産5代目、
2009年 静岡県静波海岸で開催されたJPSAプロテストに合格したプロサーファーでもあります。

 

 

トークディナーイベントになりますので誠に勝手ながら18時から一斉スタートとさせていただきます。
ご予約ご希望の方はターブルオギノ湘南店にお電話、店頭にて直接スタッフにお申し付け下さい。

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