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2018年03月13日

今週から始まります

メニューの話ではなく、新刊の撮影です。

一年かがりで料理書作ります。

多分、一年では完成しないと思います。

そのくらい重い内容を予定してます。

 

今回の本は、一般の方を完全に無視してまして、プロに買ってもらう本です。

 

ただ、プロと言ってもコックさんの場合は学生から現場に入った時点でプロには変わりなく、店やってるとか料理長だけをプロとは呼ばないと思ってます。

なので、まだこれから沢山引き出し増やしていきたいという若いコックさんや店をやりたい人、既に始めているけれどちょっとメニューに変化が欲しい人などに買ってもらえればと思います。

 

所詮、私が店で出し続けている料理なので、古典的でフランス王道料理が殆どになると思います。

しかし、王道をやり続けるのは意外と難しい。

手間がかかりすぎるからです。

うちの店では35席に対してキッチンは2人です。普通のフランス料理店ならばキッチンは最低4人は必要でしょう。

何故そうしているかというと、リーズナブルにやりたいからという、ただ一点です。

 

フランスのグランメゾンと同じ食材使いながらも、無駄な部分を徹底的に排除して少人数で切り盛りすることで効率を上げるのです。

 

ガストロノミーとは一言で言えば、無駄にお金を払って頂けるかどうか、です。

立地であったり、内装であったり、壁の絵だったり、1枚4000円の食器だったり、一本1万のカトラリーだったり、サービスマンの燕尾服のクリーニング代だったりです。

しかし、その空間での食事は一生の記憶に残る贅沢な時間となるでしょう。

カルチャーとはそもそも無駄な部分であるからこそ、永遠に探求を続ける価値があるのです。

 

IKEAの食器でTシャツのスタッフ、自分で丸刈りしているシェフがいる当店では、そういったものを排除しつつ、食材と料理だけは負けないクオリティで頑張るしか無いのです、、

 

しかし、キッチンの仕事は複雑さを極め、なかなか少人数でやることは難しいです。

オーナーとなるとキッチンにいる時間は全体の2割くらい。殆どが雑用です。

限られた時間で最大限に効率よく最高の料理を仕上げるコツというものは今までどの料理書も教えてくれませんでした。

いちいちソース作るのに、骨を炒めるところからスタートしてたら間に合うわけがないのです。

要領の良い仕事がこれからはカギ。

リーズナブルに王道料理をやりたい、

しかし

なるべく高い給料と少ない労働時間と多い休みをスタッフにあげるには、私の修行時代の様なやり方では絶対に上手くいきません。

 

料理書であり、ビジネス書的要素を取り入れた本にしたいなぁと考えてます。