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2014年07月21日

廃人週間

1週間に2回ほど泊まりでしかも分刻みの出張を入れると疲労感がとんでもない。

昨日の秋田は空港着いて速攻横手市に行き、地元農家さんの農産物を見ながらお話し、実験農場で新型野菜や果物を見ながら今後の作戦をお聞きする。
シシリアンルージュと言うイタリア系加熱用トマト、生きくらげ、キュウリ、茄子、ネギ、スイカなどなど。
築地で箱にランダムに入れられた野菜を見てるだけでは絶対に伝わってこない農家さんの想いやこだわりなどをビンビン感じます。

その後、秋田で御馳走とされているウサギ生産者さんに飼育場を見せていただく。
改良秋田種と言われる大型品種を育てて品評会に出し、正月は昔ながらウサギを御馳走として食べる文化をもつ秋田県の大仙地方。
昔より激減した飼育農家の戸数は20戸程。
今はペット用に飼育しているとの事でしたが、中には食用として肉屋が買う事もいまだあるとの事。
可愛くて可愛くて。
でも、肉を食べるという事はそういうことですね。だから無駄には出来ません。

そして1時間移動しまして、アスパラ農家の跡取りの若者との悩み相談。
規格外アスパラに関してのお悩み。
収穫の1割が規格外になるとの事。
その量毎日3kg。
近隣アスパラ農家合わせると、ほぼ毎日300kg規格外が出るらしい。
300kgって、みかん段ボール30箱です。
それが毎日。
その多くは太すぎる、曲がってる、色が悪い、穂先が開いているなど。
北海道で嫌と言うほど見てきた規格外の話がこちらでも相当な量があると聞き、非常に悔しい。
どこの産地でも表に出てないだけであって、また農家さんもそれが普通であるというだけで大量の美味しい野菜が捨てられている。悔しい。
私は別に捨ててるモノも買い漁って儲けようというのではなく、農家さんのご苦労が報われない農政と言うモノに非常に疑問と怒りが湧いているだけなんです。
写真で見ていただいたとおり、曲がっている、揃ってない、穂先がちょっと開いている、ただそれだけでゴミとなっているのはいかがなものかと単純に思うだけ。
世の中に食べ物が無くて困っている人がどれほど多いことか。
安倍首相が農協と全面戦争の構えだと新聞に書いてありましたが、これはこれでいい方向に向かっていくと良いですね。
私は超レア食材とか、どこぞの3つ星食材とかではなく、ご縁を頂いた作り手の顔の見える表情のある普通の素材があればいいと思っています。私らフランス料理は調理してナンボですから。
フランスのマルシェで揃ったアスパラやキュウリなんか見たことない。

そして、夜は地元人気の寿司屋さんで盛り上がり、宿に帰って即撃沈。
翌日は5時起きで接待トライアスロンに出て、ショートのコースとしては珍しいタフなアップダウン激しいバイクコースにやられました。序盤の12パーセントの激坂2本、ダラダラとした登り、テクニカルなコーナーをなんとか超え、歩道橋やら踏切やら小学校の校庭やら面白いランコースを満喫して2時間50分ほどでなんとかゴール。

速攻着替えて移動、猟友会の会長さんとお会いして、野ウサギのルートを確保していただくためにお話をさせていただきました。
いや~、凄い。
秋田県の食文化の凄さをお聞きしてビビりました。
特にこの地方は雪深いので、先人たちは野ウサギを貴重な冬のタンパク源としており、その食べ方が凄過ぎ。
余りにインパクト有り過ぎてここには書けませんが、ヨーロッパを凌駕するような食べ方をしてこられたようで、当店のマニアのお客様垂涎のお話ばかり。
I野会長やT岡兄さん、K山部長あたりには堪らない調理方法となっております。
マタギの知恵と言うのは本当にすごい。
ちょっとだけ書くと、野ウサギで捨てるところは爪と歯だけだそうです。
内臓も骨も毛皮も全てを残さずに食べる切る凄過ぎる知恵をお持ちで、非常に勉強になりました。
これはこれで残していきたい文化だと思います。
狩猟は11月に解禁ですが、一番味が良いのは厳冬期の2月。
草を食べているウサギでは無く、全てが雪に閉ざされ、木の皮や木の芽を食べているウサギが最高との事。
今後、バンバン送ってくださると事で、今から楽しみです。
今年は秋田野ウサギ祭りやりますので、ご期待下さい。

で、飛行機飛び乗って羽田到着、連休ラッシュとゲリラ豪雨で首都高大渋滞。
羽田から池尻まで2時間以上かかってレストランに参戦する事出来ず、撃沈。

今回のお話を今後につなげていく為に動きまわる今日この頃。
さすがの私もお疲れ気味です。