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2020年03月11日

アニョ・ド・レ

乳飲み仔羊です。

 

ウールをとるメリノ種ですね。

発酵飼料と自家農園の小麦とコーンも入ってます。

だったら乳のみじゃねえじゃん、というお叱りはごもっとも。

しかし、EUの規定で乳だけの段階での出荷は動物倫理の観点から禁止なんですね。だから穀物を少し食べさせてから出荷されます。

 

さて、これってどう思いますか?

どうせ殺すなら乳だけだろうが穀物食べようが関係ない、偽善だ、自己満足だ、人間の勝手な都合だ、

乳離れしてない動物を殺して食べる事が倫理に反するならば、穀物食べさせさえすれば、なぜそれは許されるのか。

 

スイスでは生きたオマール海老を丸焼きにする事は法律で禁止されてます。

頭をぶっ叩いて気絶させてから行うべし、と。

しかし生牡蠣は良いようです。

どうやら、この辺の線引きはエビと牡蠣の間に引かれているようで、その基準はその動物が痛みを感じるかどうからしいです。

牡蠣が食べられる時に痛いかどうかは牡蠣に聞いてみないとわからない筈ですが、EU規定では牡蠣は生でムシャムシャしても良いが、海老は気絶させる方が倫理的に良しとされます。

哺乳類ならば、知性のあるイルカやクジラをターゲットにする捕鯨はご法度だけれど、ウサギや豚は知性がないから殺しても良いそうです。

皆さんはどう思われますか?

 

 

前置きが長くなりましたが、週末で乳飲み仔羊いきます。

とにかく柔らかくて独特の粘り気を感じていただきたいので、全部焼きでいきます。

部位は指定できませんし、そもそも指定できるほど大きくありません。

個人的にはスネ肉がオヌヌメ。少し大きくなると固くて煮込まないと食えませんが、乳飲みくらいなら焼いただけでゼラチン質がコリコリと旨い。

キュッキュッという若い筋肉食ってる感がハンパないので、上記のパラドクスを考えながら食べるサディスティックな罪悪感と背徳感は筆舌に尽くしがたい。

そう、人間の欲望とはかくも凄まじいモノであり、それが絶滅危惧種でない限り、こうした食べ物はこの世から無くならないのです。

絶賛発酵中

昨日、夕飯の買い物にスーパーに行ったら、トイレットペーパーやマスクだけなく、納豆が売り切れでした。

なんかテレビとかで納豆がコロナに効くとかやったんですかね?

だとしたら、なんという短絡的な…みんなが同じ行動するのもジョージオーウェル的で非常に怖い。

ハーメルンの笛吹きはどこに連れて行こうとしてるんでしょうか。

 

 

さて、農家の余ったキャベツをレスキューするためのシュークルートが2週間ほど発酵してます。

真空パックがパンパンに膨らんで破裂寸前。

 

何度かガス抜きして匂いを嗅ぐと、シュワっといい感じです。

腐敗とは全く違う炭酸ガスが発酵の状態を物語ってます。

糠床やキムチはやったことありますけど、シュークルートは初めてやりました。

 

良いですね。

非常に良いです。

 

ある程度のところまで行ったら、ゼラチン補充のための豚皮と一緒に煮込んで発酵止めます。

 

沖縄のロイヤルポークのバラ肉ベーコンも塩漬け工程から乾燥のフェーズに入りました。

一晩吊して乾燥と熟成させた後に燻製して完成です。

 

 

もう一つ、サラミを作ります。

今回は乳酸菌入れたパターンで、表面に白カビつけようかと思います。

これは残念ながら常温とはいかずワインセラーで一週間くらいですかね。

日本の空気中の常在菌だけではうまくいかんので、乳酸菌と白カビでバリアします。

アイデアとしては、味噌に入れてる米麹入れたサラミができれば、ジャパンテロワールのサラミが出来て非常に美しい。

麹って、東アジア特有の菌で欧米には存在せず、麹を訳す適切なフランス語も英語もありません。

麹を肉の中でもうまくコントロールできるようになれば、変な乳酸菌やドイツの輸入白カビとか使わなくても良くなります。

来週うまくいけばデビューです。