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2018年05月13日

ネオ・クラシックブック撮影

毎月恒例となった私の料理書の撮影が今週あります。

勝手にネオ・クラシックブックと名付けました。

今回のテーマは野菜と果物。

すでにどちらも専門書出してまして、さてさてどれにしようか、ってな感じでメニューを考えてます。

 

これだけ本出していると、我がことながら自分の料理もかなりパターン化しているな、というのがありありと分かります。

 

しかしながら、長いこと毎日料理を作り続けていると、年々無駄な部分が削ぎ落とされているのだけはわかります。それが進化というのか要領を得たというのか、少なくない変化している部分です。

 

昔からフランス料理ってのは足し算カルチャーだと思ってましたし、今もそう思っています。

例えるならば、なるべく少ない筆運びとタッチで仕上げる水彩画や水墨画は和食やイタリア料理で、フランス料理とは色を塗り重ねていく油彩画である、と。

 

しかし、最近はニュアンスが変わりまして、これは彫刻に似たプロセスではないか、と感じるのです。

 

目指す形へのアプローチとして、塗り重ねるのではなく、削り出していく作業に近いと。

 

これ以上削れないところまできたら、ディテールを磨いていくのです。

 

バッチリ焼けた肉、その肉から出た筋や骨も無駄にせず丁寧に引かれたフォンから作られるソース、そして生産者の想いが詰まった野菜の付け合わせ。

 

さて、これ以上に何が必要だろうか。

 

完璧とは何も引けない状態です。

 

この考えに到達するまでに20年もの歳月が必要でした。

 

 

まだまだ修行はこれからですわ。