2016年06月12日
とはいえ、気を入れ替えてがんばろう
全部手作りでやっていれば、いつかミスもおこるでしょう。
もちろん、今回の件のいいわけではなくて、大切なのは同じことを二度としないように努力することです。
手順や管理体制に関して、今までよりもさらに細かく確認できる体制をアトリエメンバーが頑張って考えてくれました。
ご迷惑をおかけしたお客様には大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。
だからこそ、これからもブレないようにやっていきます。
で、料理の話。
暑くなってきて、さすがに霜降りバシバシの肉がキツイ、とのご意見をたくさんいただきます。
当初はもっと赤身が勝った感じの肉だったのですが、寒い時期に育った牛は脂肪を蓄えやすいんですかね。ここのところの宮古牛は、ちょっとしつこいくらいに脂がのってました。
ジメジメして天パーの髪の毛も言うこときかないので、こんなときなかなか霜降り牛をアレでしょう、ということで赤身のサーロイン始めました。
私は最近はやりの熟成牛というのがどうも苦手なんです。フランスで食べたアロワイヨとかラムステックの熟成したのは好きなんですが、日本のカビは相性わるいのか、どうしてもあのカビの香りが好きになれません。
周りを全部削って捨てなきゃいけないという無駄なところもちょっと抵抗あるし。
ということで、基本的に熟成はドライではなくウェットエイジングしてます。
ウェットとは真空パックで熟成かけるんですが、無駄はないし、カビっぽくないし、馴れた感じの肉の味が好きです。
ニュージーランドの放牧牛ですが、最後に少しだけ穀物入れてる肉なので、草だけで育った独特のカロチン臭が少なく、バランスいいと思います。
サシはほぼなし。
霜降りが入ると焼くのが簡単なんです。
焼きすぎても硬くなりません。
赤身バシバシの肉は焼くのが超絶難しいですね。
若い火入れはゴムみたいでキモイし、行き過ぎると食えたシロモノではありません。
霜降りは脂の味、赤身は肉の味です。
ここは20年やってきた私の肉焼き技術がすべて。
温めるようなイメージでじっくりゆっくり焼くんです。
炭火や薪もうまそうですが、私はフライパンでたっぷりのバターでしっとり焼くのが一番うまいと信じています。
とりあえず、私が飽きるまで赤身サーロインやってますので、よろしければ。
今日、キャンセルあってテーブル1卓2名様ご案内可能です、とブリキの雪だるまみたいな体形したマネージャーが申しておりますので、肉汁で溺死したというお客様、お電話お待ちしております。