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2014年06月18日

完全復活です。

おそらく、二度と走れないであろう、そして走る気にもならぬだろう、トライアスロンよさらば。
と昨日の朝までは思ってました。
長崎でのランの30km過ぎからは、地獄、苦痛、落胆、疲労、嫉妬、ありとあらゆるこの世の痛みと言う痛み、煩悩と言う煩悩が一気に押し寄せ、ハンガーノックの症状もあり、今までの人生で体験したことのない苦しみの時間。
なぜ、このような事をやるのか、やりたいのか、二度とこの競技には戻ってこないだろう、二度とやることなどないと断言出来た。
実際、競技終了後、一緒に走った仲間には洞爺湖は無い、と断言していた。
が、しかし。
ランが弱いから、とにかくランを強化すべし、バイクはローラーの効果は顕著である、スイムはまったくやらなくてもバイクとランで持久力が強化出来れば全く問題なし、洞爺湖は是非とも13時間を切りたいのだ、と考えるようになる。

15日朝、3時半起床で、朝飯を大量に食べる。
4時50分にバスに乗って会場入り。
ウェットスーツに着替えてスイム会場へ。
仲間で握手し、それぞれのポジションで待機。
スタート。1周2kmを2周泳ぐ。バトルが激しく、殴られけられ。
それもまたレース。
1周目終了で34分だったかな。結構速い。
2周目からは一人旅。
今回のスイムは全く疲労感ない。まだ泳げる。
3.8kmを1時間14分で上がり、バイクへ。去年より10分近く速い。
バイクは去年と同じコース。小さな島でやってるのに、海岸線は2回ほどしかなく、アップダウンの山岳がほとんどという狂ったコースは健在。
とにかく、100kmまでは我慢で走る。腹が減る前に補給。
この大会は沿道の応援が素晴らしい。途切れることがない。おばあちゃんが軒先でヤカン叩いていたり、窓から子供が応援していたり。
途中、リアタイヤの調子がおかしくなる。なぜかフレームに干渉し始める。
降りてクイックをはめ直し、また干渉しての繰り返し。
4回ほど繰り返して、なんとか落ち着く。ロスったタイムは20分くらいだろうか。これが無ければ6時間半でバイクを終えられ、貯金ができたのに。。辛い。
それもまたレース。
なんとか180kmを走り切り、がくがくの足でまさかのフルマラソン。

ここまで、予定通りのレースは運び。
スイムとバイクで8時間ちょうど。
これでフルを4時間半切れば12時間半をきれる。
更衣室で仲間と一緒になり、しばし談笑。
”これからフルマラソンって、頭おかしいよね、この人たち。“
私も間違いなくその一味である。
今回は片道10,5kmを2往復。
この片道が長いこと長いこと。
飛ばさぬよう、キロ6分をキープ。体温があがらぬように頭から氷水を被り、コーラを飲み続ける。
21kmまでは2時間10分位で来ており、これはイケるかも、と思う。
しかし30kmすぎ、一気にキロ6分がきつくなる。
ランコースもアップダウンが存分に設定されており、すでに棒になっている足を存分に削ってくれる。
去年は完走が目的であったため、ランはほぼ歩きとおした。その為、私は不完全燃焼感をこの1年引きずって生きてきたのである。今年は限界を超えたい。出し切りたいと思ってここに来たのである。
絶対に歩くまい。
そして宣言通り、12時間半を切りたい。
その目標が怪しくなる。
ドンドンペースが落ちる。
このままでは12時間半はおろか、13時間きりも怪しい。
ヤバい。後ろからは仲間も僅差で来ている。
負けたくない。
35キロすぎ、視野が狭くなり、キラキラを星が目の前に出てき始める。
あ、マズイ。ハンガーノックだ。
気付いた時にはもう手遅れ。
今更補給しても消化されるまでに20分はかかるだろう。
イケるところまで行くしかない。
電解質が足りないのか、脱水症状なのか、水分とっても右に身体か傾く。
汗はダラダラ出るのに寒く、手足がしびれる。
この辺りから記憶が曖昧です。
ゴールの瞬間、声を出して泣いていたと思います。
なぜ泣いていたかは分かりません。

完全に出し切りました。限界はとうに超えてましたが、それを超越しました。
満足でした。記録はどうでもよかった。
とにかく満足でした。
弱い自分に勝てた気がして。

ゴールゲートをくぐって倒れ、車いすで運ばれ、点滴を2本。
昨日一昨日は歩く事も侭なりませんでしたが、今朝はもう復活。
破壊されたと思った膝は筋肉疲労でした。骨には異常なし。
しかし内臓はダメージが残っているようで、食欲もありません。
ゆっくりゆっくり回復を待ちます。
今月いっぱいは何もせずに休んで仕事に専念し、回復したらまた考えます。

長崎のボランティアの皆さま、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。
そして長崎に行かせてくれたスタッフの皆さん、ありがとうございました。
そして、私がいないのにも関わらず、お許し頂きご来店下さったお客様、ありがとうございました。