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2018年12月04日

洋食とは何か

カキフライやハンバーグ、カレーにハヤシライス。

洋食と呼ばれるものの定義について、昨日今日と悶々と考えました。

 

ウィキペディアなんてクリックしないで、ボクちゃんは自分で答えを見つけるぞ!

 

と、鼻息荒く。

しかし、色々な本を読み直していくといつも通り、どうでもいい部分に目がいって寄り道し始めます。

この寄り道ってのが良いんですよ。

 

明日から、今作っている本の最終章である洋食の撮影が始まります。

ここに核心部を書いてしまうと本が売れなくて私の小遣いが減るので書きませんが、洋食の定義ってのを私なりに考察出来ました。

 

洋食って、フランス料理なんですけど、日本で独自に進化した日本料理なんですよね。

辻静雄先生の言葉を借りればフランス風日本料理です。

トンカツもフランス料理の子牛のカツレツを、ソテーではなく揚げた事が始まりです。

クリームコロッケはエスコフィエのルギットキュリネールにもなってます。

そう、ゴリゴリのフランス料理なのです。

 

いつか、海が見える洋食屋のジジイをやりたいというのが私のささやかな願いでして、ちょっと気合い入ってます。

腐る経済 を読む。

マルクス思想に感化されて利益を放棄、資本主義を批判しながら地方でパンづくりをしているという方の本を買って読みました。

読後、アマゾンレビューが非常に高く、私の思考はズレているのではないかと軽く落ち込みましたが、正直に書きます。

 

 

 

利益とは搾取であるから、利益は出さない。

食べ物は腐るが、金は腐るどころかどんどん増えていく。

 

との事。

うむ。

私とはちと考え方が違うかな。

腐るのも発酵も微生物による分解の仕方が違うだけの話であって、良いも悪いもないのだと思う。

科学的な物質の作用によって腐るはずのものが腐らなくなったり、枯れるはずのものが腐っていく過程というのは自然界の摂理に反するとは思うけれど、その点についてはあまり触れられていない。

 

 

この本の核心部はシステムとしての資本主義経済の枠組みを徹底的に批判、天然酵母から始まって天然麹菌によるパンを作ることでシステムの外側に出ようとする筆者の取り組み。

利益は搾取であるとして利益も追求しない。

労働時間と商品価値が比例するマルクス理論は搾取的な労働が前提としているが、このご時世で搾取と呼ばれる労働体系が存在するのかどうか、という所が置き去りにされている。

自発的な労働、すなわち働きたい職場や仕事をいくらでも選べる現代においてマルクスの奴隷的な労働の定義を当てはめるのは、少し無理があるのではないか。辞めたければやめられる時代に私たちは生きている。

また、マルクス論で言うところのコモディティ化して価格が落ちることを避けるために天然麹菌パンを作る点は、資本主義システムの外に出る行為なのではなく、一般的なマーケティングの考え方による商品の差別化であり、そのためにも属人性の高い技術や商品を作り、それ絶やさないためにも利益を出して筋肉質で理想的な資本主義的経営をしなくてはいけないのではないだろうか。

利益はただの結果であって、そのプロセスと使い方が重要。

成熟した資本主義システムは成熟した商品を生み出し、パン作りに必要なミキサーやオーブンや冷蔵庫を生み出し、皆から吸い上げた税金でインフラを作り、各地にクルマを使って宅急便で届けられている。

その恩恵を棚に上げて、自然に沿った暮らしやものづくりを正当化し、都市の役割や自然な営みに沿わない生き方を否定する権利はないのでは。

何事も極端に振れず、バランスを取らなくてはならない。

 

ビジネスとして自分たちの正しさを世の中に問うのであれば、大切なのは批判や否定ではなく、新しい選択肢を提案し、受け手である読者やパンのお客さんの思考を促すことなのではないかと思うのです。

自戒も込めて。

 

 

 

ヤバイ

 

大山からヤビツ峠経由、塔の岳、丹沢山、蛭ヶ岳大縦走。

というか、ピストン。

 

その山中。

 

 

むむむ。

 

雲行きがヤバイぜ。

雷が鳴ってる。

 

帰ろう。