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2019年12月04日

料理通信イベント その3

オーガニックとは何か。

 

 

結論から言えば、

オーガニックとは他者への配慮と責任だと考えています。

無農薬や有機など農法の呼び名で通ってますが、農法の定義だけに収まらないと感じていたからです。

それは言い換えれば生き方であり思想です。

他者とは、土壌であり気候、河川や海洋であり、農家であり畜産家や漁師と猟師、食に関わる人や生態系と環境です。

食に関わらない人はいないので、人類全体の目指す方向性と言えます。

例えば農業について全てを把握している人がこの世にいないように、様々な要素が複雑に絡み合い、言うならば人間が生態系の一部に組み込まれるような生活や考え方をするべきだとするのがオーガニックだと思うのです。

イタリアスローフードの始祖であるカルロ・ペトリーニはオーガニックを

きれい、ただしい、おいしい

と定義しました。

きれいとは土壌を汚さず、河川や海に対しても綺麗な農作物や畜産物です。

ただしい食べ物とは、農家や畜産家、食に携わる人々が食べる人も含め互いにフェアであること。

おいしいとは、作物本来の力で育った味わいを殺すことのない味わいのこと。

時に現代の味覚には沿わないほどにワイルドな味わいを出す素材もあり、それらを進化の過程で火を与えられた人間の最初の文化活動である料理を通して調味調理し、素材の味を最大限引き出し、最大限楽しむこと。

 

オーガニックを考える事は人間関係や自然との付き合い方を考えるということではないでしょうか。