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2013年11月07日

カっ飛びます

完全にリミッタ―がぶち切れた私。

もう原価率とかどうでもいいや。
税務署がうるさい?
税務署上等、かかってこいや。
別にコソコソ裏金作ってるわけじゃないし。
利益で食材買って料理して何が悪い?

はい。

恐らく世界で最高級品を仕入れてます。
最高と言いきると偽装だ何だってうるさいんで、”恐らく”というエクスキューズ。
手か、私が思う世界最高のリ・ド・ヴォ―です。
フランス・ブルターニュのリ・ド・ヴォ―。
食感、香り、そしてミルキーを越えた農家の手作りバターの様な乳味。
キメの細かさが半端じゃありません。
これを食べると北米の冷凍物は間違いなく食べられなくなります。越えてはいけない一線を越えます。
粉付けてたっぷりのバターでじっくりゆっくりムニエル。
ソースはペリグー。
付け合わせは北海道の寒さに鍛え抜かれて、凍らないように自ら糖度を上げているキタアカリと言うじゃが芋を一緒にムニエルにしよう。
フォアグラも乗っけてしまおう。

フォアグラと言えば、本当のフォアグラ通が最後に行き着く終着駅、それは・・・
フォアグラのテリーヌです。
しかもガチョウではなく鴨。
ソテーでは到達できない壇蜜の太もものような、上質なバターのような味わいはテリーヌでしか表現できません。
火入れの温度は43度。
そうです、火なんか入っていません。余計な脂を取り除くだけ。
ほとんど生です。
ランドというフォアグラの一大産地で取れた中でも選りすぐりのものを飛行機で運び、賞味期限は到着後僅か3日。
昨日羽田に届いたものが今日当店にきます。
すぐに掃除してマリネして明日火入れします。
そのあと2日寝かせて旨味を出してからデビューとなります。
限定テリーヌ2本。来週の火曜、水曜あたりでピークを迎える私史上過去最高のフォアグラのテリーヌを作ります。
日本ではハンガリーのフォアグラが市場を独占しつつありますが、やはりフランス産は手に持った感触から違います。色もハンガリーみたく白くなく、赤味のかかった黄色。香りも甘さすら感じます。
良いフォアグラがないと絶対に作らないフォアグラのテリーヌ。
絶対の自信があります。

今日からタラの白子がスタート。
もちろん焦がしバターソース。
これ以外やるつもりはありません。
これ以上白子の美味しい食べ方を20年近くコックをやってますが、未だに知りません。タラの白子を食べないフランス人にも絶賛頂いた一品です。これはある程度のボリュームがないとイケません。コースに組み込んで頂くとどうしても小さくなりますのでこれはカルト限定でお願いします。

そしてとどめはやっぱりオマール。
本当はブルターニュのオマール・ブルーを仕入れたかったですが、美味しい奴はフランス国内で消費され、残ったやつが輸出用ということもあり、値段の割にクオリティーがイマイチで気が進まない為、築地の信頼できるところからデカ目のピンピンのオマールを入れました。
これはどうするか。
そうですね~、テルミドールかな~。
皆さん結婚式で食べるテルミドールに良い思い出ないと思いますが、活きのいいので本気で作ったのを食べると悶絶しますよ。
一旦若めに火入れしたのを身を取り出して、丁寧に作ったベシャメルにオマールの頭のミソ、半生プルプルの身を入れて上からチーズをたっぷりかけて焼き色付けます。
さっきまで動いていたオマールでやると本当に旨い。
旨すぎる。
これもカルト限定ですね。

綺麗に盛られた上品なお料理とは対極な、旨さだけを追求した武骨な料理です。
でも、これが私の考えるフランス料理。
まだまだカっ飛びます。