2019年07月24日
鹿児島の弟子から
イノシシが3頭きました。
土曜の朝に畑に行って旨い野菜を食べようと親子3頭で仲良くピクニックしてたら捕まった模様。
残念ですが、美味しく頂きましょう。
皮は三頭分となると相当な重さになるので剥がしてもらい、内臓は事情によりハツと気管支と肺だけ。
本当は皮貰ってまた鞣して在庫の皮と縫い合わせてイノシシカーペットにしたいのですが、仕方ありません。
気管支と肺は人間用にはハードル高いのでウィーちゃんが美味しく頂きます。
レストランでロースとヒレ、ターブルオギノチームで他の部位を加工してもらう事にしました。
いやー、自分で言うのも何ですけど、巨大なイノシシ三頭送って貰っても、鮮度のいいうちに速攻で加工出来る規模感があるってのは良いことです。
レストランだけなら三頭使い切るにはバラして冷凍して加工して二カ月はかかるでしょう。
食品ロスや田畑でのロスや害獣のロスに向き合う中で、自分たちの手で加工して商品作って自分たちで売って会社組織として回して行く、という流れを経験しないと各所の問題点なんて自分ごとには絶対になりません。
逆に言えば、私達だからこそ川上から川下まで見渡す事が出来ていると言えると感じています。
私たちは自分達の言葉で語る事が出来ます。
先日、国連SDGsの食品ロス削減目標の項目の中に、
食品ロスを削減する為にもっと料理人のスキルを活用するべし、
との文言が入ったと伺いました。
生産され、どうしても余る食材に対して料理の技術、いわば加工による付加価値こそが食品ロス削減の近道だという事です。
生意気なことを言いますが、やっと時代が追いついてきたか、というのが正直なところです。
私たちは10年前からずっとブレずにこの問題に同じアプローチで取り組んでいます。
サステナブル〇〇という使い古されたワードの新しい食材もいいけれど、絶対に忘れてならないのは、それらチープなサステナブルを語る前に無駄な食品を出してはならないという事です。
サステナブルという概念だけに引っ張られた口当たりと耳障りの良い活動ばかり追い求めればそれはサステナブルではなく、もはや人間がなにか新しいことをすればサステナブルなどあり得ません。
しかし、食品ロス削減はやればやるほどサステナブルに直結します。
食の業界が何をしなくてはならないかを突き詰めて考える時、私は新たなサステナブル〇〇などでは無く、食品ロスに本気で取り組む事が持続可能な食への最短距離だと信じてます。
私自身の場合、それ以外にこの業界に存在意義はないと断言していいと覚悟を決めています。