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2021年03月17日

誰が買うんでしょうか

 

今年から経験を積むために有害鳥獣駆除の有効利用含めて取り組むことにしました。

私は元々、猪と鹿だけをターゲットにしてきましたので、とにかく場数を踏む事が大切です。某所の狩猟チームにアドバイザーとして加工技術や解体方法を伝えていくのが主な仕事ですが、チャンスがあれば山に入ります。

解体というのが結構大変で、ダニやらヒルやらが跋扈する山の野生動物を食べ物として加工するのは一筋縄ではいきません。

段取りさえ間違えなければ非常にクリーンに美しく解体できるのですが、猟師によってやり方がバラバラでロースやモモに傷がついて価値が下がってしまうことも多々あります。

豚でも羊でも家畜の生体丸ごと屠殺含めて料理することは法律上出来ませんが、狩猟獣ならばしかるべき許可施設での解体を経て納得いくまでやれます。

最近は罠師達も生捕が増えてきており、より鮮度を意識するようになりました。

今回の有害駆除も畑に仕掛けた罠が主体です。学ぶことが多そうです。

 

 

 

とんでもない本が出ました。

一体、誰が買うというんでしょうか。

 

おそらく日本で唯一の羆専門猟師、久保さんの新刊。

他には秋田の阿仁地区のマタギ衆でツキノワグマを獲る人がいましたが、久保さんは単独猟です。

その久保さんの著書、”羆撃ち”は私が狩猟に憧れ、リアルにライフワークにするきっかけになった一冊。

作家と言われても納得する圧倒的な文章力と表現力で、40年羆撃ちとして生きてきた人生訓が語られていました。

今回の本は、かなりハウツー本に寄せてますが、日本の猟師にヒグマを狙う者が何人いるのか、ようするに羆撃ちハウツーが役に立つのかという点において、かなりレアなニッチな変態本だと言えます。

最初から羆を狙いに行くというのは、正気の沙汰ではなく、その狩猟スタイルは一撃必中、最初から即死させるためにギリギリまで近づき、一発で撃ち抜くという神技。

神技を繰り出す神の言葉がハウツー本として分厚く語られていますが、果たしてこの本を読んでどれくらいの猟師が参考とするのか、出来るのかはわかりません。

それでも私はやっぱり久保さんに近づきたいんですね。