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2021年03月01日

新刊

柴田書店さんから新刊です。

新刊ですが、中身は10年前の焼き直しです。

 

上下巻での発刊で、上巻はテリーヌ、パテ、パイ料理編です。

自慢になりますが、私がブッチギリの掲載点数です。

下巻はコンフィやリエットなどとなります。

 

ジャンルだけを見るとシャルキュトリー本かと思われそうですが、これはシャルキュトリーをガストロノミーに昇華させたらどうなるか、というマニアックものです。

素人が見ても何の役にも立ちません。

要するに、レストランのシェフにシャルキュトリーのお題を丸投げしてレストランの皿盛り料理を撮影するという流れです。

シャルキュトリーはそれはそれで深くて広い宇宙が存在するのですが、日本で食肉加工を極めようと思う人が少ないのは悲しいことです。何でもかんでもレストラン料理に集約させるのはなぜなのかが昔から疑問でした。

受け手の熟成が足りないというのも理由の一つとしてあるでしょうし、シャルキュトリー業界の悪習である化学添加物崇拝と許認可が面倒というのもあるでしょう。

 

手間と時間をかけ、超長期熟成による乳酸発酵まで視野に入れて逆算して作られた悶絶級の旨さのテリーヌを食べたくなるのは私だけなのでしょうか。

私の料理ルセットの行間を読むならば、テリーヌとはシャルキュトリーであり、プロセスこそが真髄、正しいプロセスを踏んだものは完璧な旨さの美しい料理なのでソースもガルニも必要なし、と頑なに無骨でシンプルな皿を展開してます。