2020年02月15日
仔牛のセルヴェル
バターソースには何種類かあって、焦がしバター業界にもいくつか段階があります。
クラリフィエ→澄ましバター
ムッサン→ビールの泡のようなムース状のバター
ノワゼット→榛色まで加熱したバター
ノワール→バター概念を完全に通り越した焦がしバター
仔牛の脳味噌に使うバターはノワールです。要するに真っ黒になるまで焦がしたもの。
白子はノワゼットに留めます。
焦がしバター業界的にノワゼットが大半を占めており、ノワールを使うことは現在ほとんどありません。
元々が脂肪の塊の脳味噌に油脂を合わせるあたりで矛盾してます。
矛盾は百も承知の上で、古典では焦げた香りを出した油脂に強い酸味を加えるのでしょう。
逆に油脂を使わず、薬味程度では脳味噌の真価が発揮できないのではないか。
白子との圧倒的な違いはここにあります。
ビジュアル、味わい共に似たような感じですが、かたやタンパク質かたや脂肪なのでバターの焦がし具合で脂っぽさを感じさせてはならないのです。
昨日、四谷の猫コーヒー屋さんが悶絶していましたので、これはこれでアリなんだと思います。