2020年02月13日
初めてお目にかかります。
食材っていう時点で人間が食べる物、食べるためのモノ、どんだけ美味しいものを作るか、と言う意味合いが含まれます。
鹿や猪や野生のカモは現在では食べ物ではなく、自立して生きる生き物であって、ハンターが殺して皮剥いで内臓出して精肉して初めて食べ物になります。
もちろん、食材として育てられる動物も動物ですが、ここで言う生き物とは根本的に異なります。家畜は自立していません。
さて、現代の人間とはヒト科の動物なのか、それとも野生を忘れ飼い慣らされた家畜なのか。
熊本に天草大王という巨大な鶏が居ます。
実は天草大王は一度絶滅しており、現在の鶏は10年かけて復活させたものになります。
巨大というのは、本当に巨大でオスの生体で6キロオーバー、メスも5キロという力士のような堂々たる巨漢です。
飼育期間はブロイラーの約3倍、130日以上でデカくなるための強い骨と強靭な内臓が備わっています。
今回はこれをポトフ仕立てにしようかと。
骨で濃いブイヨンをとり、さらにクラリフィエして濃いコンソメにします。
そこに塩漬けした天草大王の肉と農家の野菜を入れて煮込むわけです。
フランス版寄せ鍋ですが、出汁がちょっとリッチです。
ただでさえ濃いコンソメを通常の半分に煮詰めてから肉を入れて煮込み、肉を取り出してから順番に野菜を交互に入れていくため、液体の量が明らかに少なくて、旨味を濃く出します。
関節、皮、骨、肉質、どれもブロイラーと比べてものにならない強靭な対体躯。
高い金払ってチキンなんて食いたくねぇよ、という方に食べて欲しいですねー。