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2019年08月07日

狂ってる

https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20190725-00135499/

 

どっからどう考えても、この国は狂ってるとしか思えないです。

 

“薬や食品など国民の命にかかわる分野に関しては、薬害エイズの時のように、何かあってから対処するのでは取り返しがつかない”

川田龍平

こんなイベントやりますよ

長文になります。

 

 

orWASTEはじめ、様々なテーマでご一緒させて頂いている料理通信社さんとこんなイベントやる事になりました。

今までは畑の真ん中とか山の中とか海の近くでしたが、今回は東京のど真ん中、日比谷のミッドタウンです。

 

https://r-tsushin.com/feature/sdgs/gastronomy_sdgs_conference_01.html

 

テーマは食×SDGsです。

 

料理界のガストロノミーという概念を再定義し、”より良い食べ方の探求”とし、多面的にこれからの食を考察するイベント。

ガストロノミーとは美食学と訳されますが、基本的にはレストランにおける瞬間芸術としてブリアサバランやキュルノンスキーなどが盛んに議論し、現在のヨーロッパのミシュランやゴー・ミヨに繋がるヒエラルキーとして認識されています。

しかし、最近ではイタリアスローフード運動のカルロ・ペトリーニが、ガストロノマ(ガストロノミー)とは、おいしい、きれい、ただしい、と定義しています。

この三要素についてはかなり長くなるので割愛しますが、

より良い食べ方の探求

という今回の言葉の意味はスローフード運動寄りでペトリーニの定義の方がフィットすると思います。

 

私たち現代人が日々追求している美味しい料理は、ただの主観である一人称の”美味しい”に主眼が置かれ、その本質は様々な生産者の想いや高度に発達した物流網、飲食店のサービスという名の奉仕の上に成り立つ三人称視点での”美味しさ”である事を置き去りにしています。

 

 

世界的に最も成熟した消費社会と言われる日本で仕事をしていて、成熟していることと豊かであることは残念ながらイコールではありません。

成熟しきっているが故に、見えにくい犠牲を置き去りにし、臭いものに蓋をしないと経済が回らなくなっています。

世界で一番農薬を使う国であり、ダントツに添加物にユルい国であり、圧倒的に食べ物を捨てている国であり、破滅的に自給率の低い国です。

それは選択肢が多いという豊かさを感じると同時に、選択肢という表面的な豊かさの裏では多大なる犠牲と無駄を出しているという事です。

より良い食べ方をする事で、より豊かな食に繋げたい。

言い換えれば、何を選ぶかは、どう生きるかと同義です。

 

では、より良い食べ方や豊かさとは一体何だろう。

自分たちの日々の選択が何かの犠牲によって成り立っていたり、何かを破壊することや捨てる事だとしたら?

現代日本の食や料理という行為に持続可能性はあり得るのだろうか。

その為には何をすべきだろう。

そんなことを考えるきっかけやヒントになれば幸いです。

 

一緒に登壇するのはパタゴニア・プロビジョンズの近藤さんです。

日本でのパタゴニア・プロビジョンズの展開スタート時に湘南ターブルで一緒にイベントをさせてもらってからの仲良しさんです。

もちろん、私は熱狂的なパタゴニアンでもあります。

もしかすると更に特別ゲストが増えて賑やかになるかも知れません。

パタゴニアはアウトドアウェアメーカーとしてだけでなく、ビジネスを手段として環境問題を解決に導くことを理念としています。

環境問題を突き詰める中でブチあたったのが、やはり農業を取り巻く環境サイクルだったのです。

コットンもヘンプも農業であり、ウエットスーツの原料であるゴムも農業です。

それらを環境負荷の少ないオーガニック素材や労働負荷の少ないフェアトレードに切り替える中で、やがて食の問題にブチ当たるのはある意味で自然と言えます。

 

そこから一気に食メーカーとしてブランドを立ち上げて環境再生型ビールの開発や昔ながらの個体数を調整する漁法によるスモークサーモンなど、エッジの効いた画期的な商品を世に送り出しています。

 

私は10年前からやっている生産現場の抱える問題点を料理という加工技術で解決に貢献する活動の報告や、食品ロスにおける役割、ガストロノミーの主犯である料理人の美食だけではない可能性などのお話しさせて頂きたいと思います。

音楽プロデューサーの小林武史さんも本イベントに登壇され、ご自身の取り組みである木更津のオーガニックファーマーテーマパークの開業を10月に控え、その想いや今後の展開などを中心にお話になると思います。

私もご本人から木更津のお話を伺い、私の想いも聴いて頂き、猪木往復ビンタのようにアツイ喝をもらって、いつかご一緒できるように精進しますと誓いました。

 

さまざまな分野の方が食について真剣に考えてます。もっとも食に近い仕事をしている料理人ができる事、やらなければならないことを真剣に考える一日となりますよう、しっかりと準備して参ります。

 

まだ先のイベントですが、是非有給取ってお越しください。

さぁ、牛ヒレいきますか

一週間お待たせしました。

ウルグアイ牛ヒレのデビューです。

 

やはりカイノミはサシが入っててコッテリ系でしたね。

勿論、それはそれで旨いのですが、やはりベアルネーズは脂のない赤身が良いように思います。

先週カイノミを食べた方には今月のどこかのタイミングで赤身肉の夏期講習とでもいいますか、肉の部位によるソースの組み合わせや取り合わせのロジックを体験して頂ければと存じます。

 

暑い暑い言ってても仕方ないので、温暖化に少しでも貢献できる牧草飼育オーガニックビーフフィレを下品なボリューム食べて乗り切りましょう。

 

 

良い波でした

辻堂は月曜日あたりに肩から頭、セットで頭オーバー。

今日は風が出て面がザワザワしてるものの、腰から胸というサイズ。

頭オーバーとなると、地面に寝て2メートルくらいの壁が崩れながら迫ってくる感じです。

ブレイクした波の圧倒的な重量感は、モロに食らうとサンドバッグを上から落とされたような衝撃。

ドルフィンスルーも居場所が悪ければ波に巻かれて一気に海底まで引きずり込まれ沈められ、乾燥機のタオルのようにグルグルと回り続け、パワーのある波であればあるほど海面に上がる浮力よりも強い力で人間を巻き込みます。

なんとか海面に上がり肺いっぱいに空気を吸い込もうとすると目の前には次の大波が来ています。

そうして次々と波にもまれて海底と海面の浮き沈みを続ける中で海水を飲み、運が悪ければ右足に繋いだサーフボードが直撃、海面に這い上がる体力が尽き、いつしか意識が遠くなってサーファーは簡単に死んでいきます。

 

崩れ始める波が一番パワーがあり、そう崩れるか崩れないかのピークと呼ばれる一点に向かってパドリングし、タイミングを合わせて振り向き、崩れかける寸前の波のピークに入ってブレイクからコソコソ逃げ続け、喜びの雄叫びるを上げるのがサーフィンという行為です。

サーフィンは大自然に限りなく近く、波と身体の間にあるのは薄い板1枚。

あらゆるスポーツの中で一番シンプル、自然に対してクリーンでフェアだと思います。

海の呼吸ともいうべきウネリが海底が隆起する浜辺に打ち上げられる瞬間、一気にパワーと高さを増してブレイクします。

ウネリという海の呼吸ががいくつか重なり、まるで海のため息のように巨大な波となったセットと呼ばれる波は遥か沖から更に大きな動く壁となってサーファーに襲いかかります。

セットに自分の呼吸を合わせてちょうどよく乗れることが出来た瞬間こそがサーファーのオーガズム。

台風の海に入ってアウトに出るということは圧倒的に危険でもありながら、最高の瞬間を求める事でもあります。リスクのないところに喜びや達成感は無い。

台風が来ることを喜ぶのは不謹慎であると知りながら、カリカリになった畑に恵みの雨を降らせると共に、暑くて無気力な乾いた私の血を滾らせるのが台風なのです。