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2019年05月22日

ノコギリ買いました。

フランスで買ってきたヤツがあったんですけど、昔イノシシ解体中に折れてしまいまして、その後買わずに騙し騙しやってきたんですけども、今回豚の枝肉を解体するのには流石にノコギリ無いと無理っぽいって事でポチッとしました。

そもそもノコギリなんてなくてもパーツで買えば良いんですけども、なんていうんですかね、フェアじゃないというか、パーツで買うことのズルさと言いますか、

そう、パーツで買うのはズルいんです。

肉屋に解体してもらってバラバラなパーツをメール一本で買うのがどうもしっくり来ない。

なるべくお客さん感覚を排除して自分事としてやりたい。

 

この前まで生きていた痕跡はパーツ真空パックにはありません。

言うならばプラモデルの部品みたいな感じでして、動物の命を落としてしまっている感がないのですよ。

 

流石に一頭で買うと動物感が出まくってます。

これを丁寧に解体してパテやハムや骨つきローストやソーセージにするわけです。

一頭で買わないとわからない事もたくさんあり、例えば内臓脂肪はテリーヌに使えず、コンフィやラードにしなくてはなりません。

ハラミってどこ?

フィレって何?

肩ロースはどこからどこまでで、どうやってバラすの?

こういうことってあまり知られて無いんですね。

ウチの若いヤツらにはそういう事を知ってほしいし、肉を料理するのはパック開けてするもんではなく、骨を外して使う量だけを巨体から切り出す、って事をさせたいのです。

鹿肉も同じ事。

ここにこうやって書いている時点で、お客さんにもそういう事を知ってほしいのです。

 

あなたに出した豚肉料理はこうやって出来あがるのですよ、と。

プロセスにこだわる料理は美しいと思います。