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2018年06月08日

放牧牛をオヌヌメする理由

 

 

クリーンな食材、クリーンな料理を作りたいと常々思っています。

クリーンとはガバージュしないフォアグラだったり、絶滅しそうなクロマグロ使わないとか、農薬や化学肥料に頼らない果物や野菜を使いたいとか、草だけを食べた牛を使いたいということです。

 

牛は草食動物、本来は草しか食べません。

草だけで500キロまで大きくなるのは、4つある胃袋を草が行ったり来たりしているうちにバクテリアや細菌が繁殖し、それも丸ごと消化することでタンパク質を得るという反芻動物だからです。

 

なので、穀物食べなくてもいいんです。

 

広い草原や山岳地帯で草を食べながら移動して頑丈な体躯を持つ牛は旨い。

 

私が気に入って使い続いているハラミは完全放牧です。

完全放牧とは、草原を勝手に食いたいだけ食って寝たい時に寝てるってことなんで、手間は掛かりません。

なので、値段が安い。

安いから使ってる訳ではないですよ。

 

逆に穀物食べさせる場合は牛舎で管理して与え続けなくてはなりません。

昨日書いた鴨のガバージュに近い形での牛の肥育は病気のリスクが高く、抗生剤やホルモン剤が多用されます。

和牛に至っては、最後自分の脚で立てないほどに太ります。

要するに自然ではないのです。

食べさせる穀物は別に作る必要があり、大量の水と燃料を消費します。

 

牛が肉になるまで11トンの餌を食べます。

11トンの穀物作るためにどれほどの水と燃料が必要か。

 

 

 

 

ずっと考えています。

私たちが作っている料理はクリーンなのか。

 

 

サステナブルフードとかってそんなに安易にチャラく使う言葉ではありません。

そもそもサステナブルなんて食材に限らず現代に存在しません。

料理1つ何かすれば何かを壊しています。

 

禅問答みたいですがレストランこそがサステナブルでないのです。

みんなが家庭でその時の素材で料理ができれば、経済合理性で動くレストランなんて要らないのです。

 

ご家庭で料理して頂くために、ネット時代に私は本を出してます。

ちょっと面倒だと思う時にはターブルみたいな店があったらいいなと思い、ほんとに作りました。

ターブルも家庭で料理が作れれば要りませんね。

 

 

今晩食べるものが、一体どこから来たもので、何モノなのかを知る事がサステナブルへの第一歩ではないでしょうか?

そして家でストーリーのある食材でクリーンな料理を作りましょう。

 

 

 

晴れて廃業できる時が来たら、山小屋かビーチハウスで料理作ろうかな。