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2018年06月06日

黄カブ

 

日本のカブは漬物用の品種なので水分が多くて生食向きです。

 

皮が厚くてホッコリしたヨーロッパのカブに一番近いのがこの黄カブです。

 

最初に栽培したのは20年ほど前、先鋭的な農家が集まる浜松農協と記憶してます。

花ズッキーニを始めたのも同じ所です。

 

このカブは生よりもしっかり火を入れた方が旨いです。

 

タイムと鶏がらスープでコトコト煮込んで、煮汁がツヤツヤになるまでグラッセします。

 

 

 

素材に寄り添うと

なかなか頭を使います。

 

 

畑には畑の都合があり、野菜や果物にはそれぞれ都合があります。

来週末にズッキーニが欲しくても、今日みたいな天気が続けば育ってないかもしれません。

 

万端整って送られてきたものが、思っていたよりも酸味が強くて甘さ控えめだったら、それはそれで考えなくてはいけません。

 

でも、それがナチュラルな姿です。

それも楽しみと捉えなくては。

 

自分を良く見せようとか背伸びしようとかって野菜や動物たちは考えません。

 

じっくりとその時を待つのみ。

 

傷や凹みがあるのが普通でしょう。

 

 

私も最近はありのままを受け入れて背伸びするのをやめました。

何となく気が楽になったような。

 

自然のサイクルに寄り添う料理作りたくなってターブルオギノを立ち上げて、かれこれ8年くらい経ちます。

レストランもそれにもれず、農家さんの野菜を見てから使い方を考えます。

 

 

そんな風だから、あれが食べたいと言われても用意出来ないことも多く、皿の上が根菜ばかりでがっかりさせてしまうことも増えたでしょう。

 

 

でも、これで良いんです。

 

無理しても仕方ないですから。

 

冬にラタトゥイユは作れません。

 

春にマロンパイは作れません。

 

オーガニックを突き詰めると環境問題に行き着くということはあまり知られていません。

 

自分たちが作った料理で誰かを不幸にしてはいけません。

それが人であれ、生き物であれ、土壌であっても。

 

親父やオカンにガスマスク送りつけて農薬使って綺麗な杏を作ってくれ、と言う気にはなれませんよね。

 

 

そこを突き詰めていくと、今のスタイル以外に考えられないというのが、私の答え。

 

 

オカンが送ってくれた杏は、強烈な酸味が特徴なので、少し寝かせてコンポートしてからラベンダーを香らせた南仏っぽいフランかタルトにしようかな。

 

 

蜂蜜とソテーしてアイスを載せても良いですね。